屋上とホットケーキ。

本誌インタビュー People Get Ready 完全版 vol.2 前編/株式会社ティーエフエル 武山匡哉

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東海地区で「timeforlivin'」「shop Be-SHARE!」「parkLiFE」の
3つのアパレルショップを経営する武山匡哉さん。
そのお店の雰囲気やご自身のブログからは、溢れ出る日々の充実感やエネルギーが伝わってきます。
そこで今回は、武山さんが過ごされているであろう『自由で楽しく充実した屋上的(強引)な日々』を
おくるための秘訣をぜひともお聞きしたい!
その一心で、T.F.L本社ビルまで押しかけていろいろとお聞きしてきました。





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―僕の中に、武山さんは「お仕事で成功されて、こんなステキな自社ビルまで建てられて、きっと充実した毎日を過ごしているんだろう」っていう勝手なイメージがあるんです。それで、きっと武山さんには、そういった日々をおくる為の秘訣というか考え方があるんだろうって思いまして……何かそういった事ってありますか?

「いやいや、成功って……まだまだ全然ですよ(笑)。でも、考え方って訳じゃないですけど、今日、ぜひともお話ししたいなって思っていた僕の『屋上とそら』的な想い出話があるんです。その時の経験はとても衝撃的で、今の自分にすごく影響していますね。」

―『屋上とそら』的な想い出話ですか?/b>

「はい、僕は学生時代、バックパックをかついで外国をいろいろと一人で旅して回っていたんです。それで、アフリカにも行ったんですよ。そこでは現地の人を雇ってアフリカのいろんな民族の村を見て回ってたんですけど、その時にサハラ砂漠にあるドゴン族って民族の村に行ったんです。ドゴン族は独自の宇宙信仰的な考え方を持つ珍しい民族なんですけど、何故か、その村には訪れた客人が酋長の家の屋上にゴザを敷いて寝るって風習があったんですよ(笑)。」

本誌インタビュー People Get Ready 完全版 vol.2 前編/株式会社ティーエフエル 武山匡哉_a0163747_115256.jpg―実際に屋上でゴザ敷いて寝たんですか?(笑)。

「はい、寝ました! 遠くの方ではコヨーテかなにかの遠吠えが聞こえてましたけど(笑)。そこで寝ることにもびっくりしたんですけど、さらに屋上で見た星空が凄くて! もう、空が白いんですよ、星が多すぎて。その星空を見ながら『この空はアメリカや日本、そのずっと遠くまでつながってるはずなのに、日本ではこんな風に星空は見えないな。ただ、見えてないだけで日本の空にもたくさんの星があるんだな』って、ボーっと考えていたんです。その時『きっと本当はそこにあるのに見えていないだけの物や事ってたくさんあるよな。だったら、そういった物をこれからは、出来るだけ見たり感じたりしていきたい』ってふと思ったんです。あの屋上で見た星空は衝撃的でした。」

―僕も見えないというか、気づけないだけで、大切なことが世の中にはたくさんあるはずだって漠然と思います。ただ、それを見つける事がすごく大変な事なんだとも思います。

「そうですよね。僕は昔、一人の方が好きでバックパッカーでいろいろやっていましたけど、今は人との繋がりが凄く大切だなって感じるんです。そうやって繋がっていく事で、見えてくるものがたくさんあるって僕は思っています。」

―なるほど!。実は僕も最近、人との繋がりってすごく大切だって思えるようになったんです。でも、人との繋がりを作るのってなかなか難しいですよね…。

「待っててもなかなか出来るもんでもないですからね。でも、そうしたいのなら自分から積極的に前に出ていくべきだと思います。やっぱり、自分が人に愛されたいなら、まずは自分が相手のことを愛さないとね。恥ずかしくて、かっこ悪いって思うかもしれないけど、まずは自分自身をアピールしていった方がいいと思います。それと、僕はよくスタッフの子達に海を見せれる時には『僕はこの海のように、広大でゆったりとしていて、大きく包み込めるような経営をしたい。みなでそういう会社をつくりたい。』ってよく話してます。」

―うぅ、耳がイタイです(笑)。でも、その海に対する武山さんの考え方って、僕らの編集長の屋上に対する考え方にすごく似てるかもって思いました。編集長は「屋上はフェンスに囲まれているけど、上を見上げれば無限に広がる空がある。そこでは色んな可能性があるはず。だから『屋上とそらfree』は、紙面上に造り上げたひとつの屋上で、その場所に集まる人達を包み込んで自由に活動してもらえる場所にしたい!」ってよく言ってるんです。

本誌インタビュー People Get Ready 完全版 vol.2 前編/株式会社ティーエフエル 武山匡哉_a0163747_1152775.jpg「きっと編集長は屋上を『物』としてじゃなくて『観念』として考えているのかもしれないですね。海も屋上もリラックスできて、落ち着けるじゃないですか。そういう存在になんとなく憧れるというか…」

―そうかもしれないです。

「それと、今ってすごく匿名性の高いネット社会で、匿名でいれば、周りの人にだれも自分だと悟られずに、色んな事を伝える事ができるし、色んな人とも繋がれるじゃないですか。でも、そんな時代だからこそ「僕は名古屋に住んでる武山匡哉です。こんなことをやっています。」って堂々と自分をアピールしていきたいです。そして、みんなに僕を見つけ出してほしい。たくさんの匿名の中に埋もれてしまわないように。確かに自分の家が落ち着くように、自分の殻の中で自分を守りながら日々を過ごす方が簡単ですよね。でもやっぱり、家から外に出て行かないと! それこそ、殻を破って屋上に行いかないと(笑)。そこから見える空が無限に広がっているように、外に出る事で色んな可能性が広がっていくんじゃないのかなと思います。」

―はい、がんばります! そして後編に続きます。
by okujotosora | 2010-06-01 01:05