屋上とホットケーキ。

本誌インタビュー People Get Ready 完全版 vol.3 前編/ROJAK 政木 亮二・山本 敦

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最近よく耳にする『屋上閉鎖』のニュース。
こういうニュースを聞くたびに、屋上を再利用する方法が何かなかったのかなと思ってしまう…。
そこで、今回は空きビル状態だった歴史ある建物を「建物がカッコいいから残したい」という
強い思いで自ら行動し、見事その建物のリノベーションに成功した
インテリアデザイン事務所「ROJAK」の政木さんと山本さんに
「これからの屋上/閉鎖されてしまった屋上」の今後の可能性について色々と聞いてきました。





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―今日はよろしくお願いします。早速なんですが、どういった経緯で西大須ビルのリノベーションを手掛けることになったんですか?


政木(以下:政):「経緯ですか?簡単に言うと飛び込みです(笑)。大須を歩いている時に西大須ビルを見かけて『なんてカッコいいんだ』って思ったんです。でもその時は、建物自体が大正時代に建てられたもので、だいぶ老朽化も進んでいたし、ほぼ空きビル状態だったんです。」

山本(以下:山):「それで、このビルをリノベーションして『かっこ良く甦らせたい』って思って、ビルのオーナーさんの所にいきなり『リノベーションさせてください』と頼みに言ったんです(笑)。」

―すごいですね、その行動力と熱意!オーナーさんの反応はどうだったんですか?

a0163747_7283471.jpg政:「やはり『ポカン!?』ですよね。いきなり、面識のない2人組がビルをリノーベーションしたいって来られても『なんなの君たち?』ってなりますよね(笑)。」

ー確かに(笑)。

山:「でも、何度かお会いしながら、僕たちの考え方や計画についてお話させていただくうちに、僕たちの考えに納得していただけるようになって、最後は『やりましょう。お任せします!』っと力強いGOサインをいただくことが出来ました。」

―さらっと、お話してますけどその話ちょっとすごくないですか? 普通、リノベーションってオーナーさんから相談が来て、進めて行くものですよね?

政:「普通はそうなんですけどね(笑)。予算も結構、かかる話ですし…。」

山:「僕たちの話を真剣に聞いてくれて、実際にリノベーションを任せてくれたオーナーさんには本当に感謝しています。」

―きっと、お2人の熱意がオーナーさんに伝わったんですね! 実は今日、そうやって熱意をもって色々なリノベーションをなさっているお2人に、閉鎖されている屋上のリノベーション案を考えていただければと思って来たんです(笑)。お二人はそれぞれ、屋上にどういったイメージがありますか?

政:「そういうことだったんですね(笑)。僕は入院していた時にのぼった屋上のイメージがすごく強いですね。入院生活って基本的に暇なんで、よく屋上にいってたんです。病院の屋上は患者さんやシーツがたくさん干してあって、ゴチャゴチャしてるんだけど、行くと気持ちがリセットされるというか、なんかいい気分になれましたね。とにかく、気持ちのいい場所ってイメージがあります。それ以降なかなか、屋上には行ってませんけど(笑)」

山:「僕は学校の屋上ですかね。あの『これより先はいかないでください!』的な看板を越えた先に何があるんだろうってワクワクしません?とくに何かあるわけじゃないし、なにか特別なことをするわけじゃないんですけど。それでか、屋上では、なにをするにしても特別な事をしている感覚になりますね」

―ワクワクするって感覚はすごく分かります。屋上遊園地や屋上ビアガーデンが楽しいのもそれと同じ感覚なのかなって思います。でも、屋上遊園地ってドンドン無くなっているんですよね…。

政:「そうなんですか。やっぱり、お客さんの利用頻度が少ないんですかね?」

a0163747_7292481.jpg山:「今は車社会だし、気軽にいろんなレジャーに行けるからじゃないですか。きっと、昔に比べると屋上遊園地が特別な場所ではなくたってきたんじゃないですかね。」

ー寂しいですけど、世間的にはそうかもしれないです。今のニーズにあっていないというか…実際、昔に比べると楽しめる屋上が少なくなってる気がするんです……この辺りはどう思われますか?

政:「そうですね、特に新しいビルの屋上は、室外機の設置場所みたいに実用的な屋上になっていることが多いですよね。これは、建ぺい率や建物の全体予算の問題が色々と絡んでいるからだと思います。もちろん、計画段階では楽しむための屋上のアイデアも考えてはいるんですけどね。」

山:「いろんな設備を地面に置けばその分、建物面積が小さくなってしまいますよね。だったら、屋上に設備を置こうってなってしまうんです。正直、屋上は儲からない場所だという考え方もありますから…。」

政:「ただ、個人的にはもっとおもしろい屋上があってもいいと思います。例えば、屋上に住民専用の露天風呂がある高層マンションみたいな(笑)。屋上自体がウリになると分かれば、今後競うようにおもしろい屋上が色々できてくると思います。そうなってくれば『屋上の未来は明るい』ですね(笑)。」

―『屋上の未来は明るい』…そうなって欲しいです。そして後編に続きます。



a0163747_7564210.jpg株式会社ロジャック 政木 亮二・山本 敦 / インテリアデザイナー
学生時代の友人2人でスタートした、名古屋市大須に事務所を構えるインテリアデザイン事務所。
店舗設計デザインからビル一棟のリノベーション、プロダクトのデザインまでトータルで行い
、東海地方を中心に全国へと活動の場を拡大中。
インテリアデザインの力は1人の笑顔から街の表情までを変化させる可能性を信じ日々奮闘中。
http://www.rojak.jp
by okujotosora | 2010-08-14 07:30